話下手を直したいと思って会話術を学んだとして、それで話上手になれて全て解決!ということに必ずしもならないことを知っておいてください。
人付き合いで一番大切なことは、捉え方というものなんですね。
自分がどう捉えるか?相手がどう捉えるか?で、会話なんてものは変わってくるものなんです。
もし、あなたが大好きな人がいたとします。
片思いなんだけど、すごく憧れていて、少しでも話がしたい、仲良くなりたいと思っていたとします。
そんな時に、たまたまその人と二人きりで話せるチャンスがありました。
その人が、いろいろ話をしてくれました。
あなただったら、どうしますか?
しっかり話を聞きますよね。
もし、それが面白くないような話だったり、全く興味のないようなことでも、自分の好きな人と話ができているというだけで、楽しい時間になると思います。
その人の笑顔が見れるだけで、幸せな気分になるんじゃないでしょうか?
もちろん、その人に恋人がいて、デートしたとか旅行に行ったとかの話だと、嫌になるかもしれませんけど。
それが、恋人と上手くいっていなくて、その恋愛相談だったら、真剣に話を聞くはずです。
そこには、下心もあるかもしれませんけど、恋愛相談なんて信頼している人にしか言わないものですから、自分のことを信じてくれているんだと嬉しい気持ちになって、相談にも真剣に乗ると思います。
でも、あまり好きじゃないタイプの人と、二人きりになって話掛けられても、楽しい時間は過ごせないはずです。
まだ、それほど親しくはないけど、自分が興味のある話をしているなら、聞く気になるとは思いますけど、嫌いな人が話すことだと、どんな内容でも、心の中では、早く時間よ、過ぎてくれ!なんて思ってしまうのではないでしょうか。
いくら話題が豊富で、話が上手くなったとしても、相手との関係次第で、話が盛り上がるか、すぐに途切れてしまうかが決まってくるんです。
相手の話す内容によっても、もし、どこかに行きたいところがあって、相手がつい最近行ってきたということなら、いろいろ質問することになるはずです。
電車で行ったのか?車で行ったのか?
その場所まで、どのくらい時間が掛かったのか?
どんな所だったのか?
お金はどのくらい掛かったのか?
などなど、知りたいことを質問するはずですよね。
そうなると、会話のネタだとか話題だとか、そんなことを気にすることも無くなります。
でも、その話を嫌いな人がしてた場合
ただの自慢話にしか聞こえなかったり・・・
こんな奴に教えてもらいたくない
など反発することもありますね。
要するに、同じような話の内容だとしても、自分が相手をどう捉えているかで、こちらの気持ちも全然、違ってくるものなんです。
ということは、相手だって同じような感覚を持っていても、当然ですよね。
自分は良かれと思っても、相手にとっては不快なこともある
金子さんは連休を利用して、彼女と旅行に行きました。
とある温泉街なんですけど。
そんな話を、仲の良い職場の同僚にしたところ、すごく羨ましがられて、しかもその同僚も行きたい場所だったこともあって、とても話が盛り上ったんです。
そこの、別の同僚が加わりました。
その人と金子さんは、それほど親しくもなく、挨拶を交わす程度で、どちらかというと苦手なタイプの人だったんですね。
金子さんが、この前彼女と〇〇に行って、いろいろ聞いてたんだ
と、仲の良い同僚が行ったところ
あんな所行くもんじゃない!
そんな話聞きたくない!
と不機嫌になって、どこかに行ってしまったんです。
その後、分かったことなんですけど、その人は数日前に彼女と別れたようで、その温泉街は付き合っていた頃に、今度行きたいね、なんて話をしていた場所だったようで。
しかも、浮気相手と旅行に行っていたのが発覚して、行った先がその温泉街だったようなんです。
別の同僚にとっては、すごく嫌な場所だったんですね。
そんな話をニコニコされていても、楽しい気持ちになるはずありません。
金子さんからすれば、そんなこと言われても知らなかったし、僕には関係ない話だろ、と思うのも、当たり前なんですけど。
このように、自分が良かれと思っていても、相手にとっては良くない話ということも、たくさんあります。
その反対で、相手にとっては楽しい話でも、こちらにとっては、つまらない話ということもあるんです。
ただ、親しい関係の人で最近彼女と別れてしまったということも知っていれば、そういう恋愛話はちょっと止めておこうという気持ちになります。
けれど、そうでもなければ相手の好みや趣味や、プライベートでの出来事など、全て把握できる訳はありませんから、こういう話はしない方が良いという判断をすること自体難しいことでもあります。
でも、いろいろ気にし過ぎていたら、何も話せなくなってしまいますから、そこまで気にしなくても良いかもしれません。
結局のところ会話なんてものは、自分がどう捉えるか・相手がどう捉えるかなんです。
相手を喜ばせることもある反面、不快な思いをさせてしまうことだってあるということを、頭にいれておいてください。